読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Critical Path

限界工程

アイドル・イズ・ノット・デッド

「人生の価値は死ぬ時に初めてわかる。」なんてことを言った人がいる。
人の死とアイドルの卒業を同列に語るのは些か大袈裟だが、最近卒業していくアイドルを見る度、この事を強く思わされている自分がいる。

6月15日、浜松町文化放送サテライトプラスで行われたチアチア1期生・桝元沙耶の卒業公演はまさにそんなライブだった。

創設時からのメンバーの卒業ということもあり、この日の観客も大入り。運良く前の座席を獲得できたので、ライブに向けて気持ちを引き締める。

overtureが流れ、集まったヲタのコールにも気合が入る。節目のライブ時のチアチアファミリーは実にやるべきことが明確で一体感があり頼もしい。

1曲目はキセキノチカラ。結成から日本青年館公演までの軌跡を辿った曲であり、ここまでチアチアを支えてきた彼女への祝福のようなCメロの割れんばかりの沙耶コールが感動的だった。

MCに続いて2曲目。夢に向かって…。個人的な感情はひとまず置いておき、この日は「俺の沙耶」コールに徹する。"アイドル"という夢に向かって走り続けてきた少女が次の具体的な夢を見つけて卒業していく。この曲の素晴らしい一面がまた発見できた。

どう見ても英語が得意ではない沙耶によるらしさが詰まった『RISE』。リリイベツアーの思い出が蘇ってくる『ガムシャラスピリッツ』。全力、全力…最後の最後までチアチア…桝元沙耶は全力だった。

特に印象的だったのはRISEにおける「いつでも全力!りかこ!」のコールがこの日「今までありがと!さや!」に変わるヲタの粋な計らいとそれに対するリアクション。

原田里佳子は号泣していた。しかしそれは決して自分のコールが無かったことでなく、サプライズ的なコール・またそれが会場全員の気持ちを乗せた大音量のものだったからで間違いないだろう。
事実、直後からガムシャラスピリッツにかけての彼女の表情・パフォーマンスは鬼気迫るものがあった。気持ちが全身から溢れ出ていた。
こういった心の通った瞬間を目撃すると改めてこのメンバーとファンのいるグループを応援していて良かったと思わせてくれる。

最後の曲は「ありがとちゃん」。
沙耶のソロパートがあり、ファンのコールの大きさも1,2を争う人気曲。

この曲はとにかく凄まじかった。今までの数多くチアチアのライブを見てきたけど、間違いなく最高峰に心が震えた。
人間のエネルギーの限界に挑んだかのような全員の涙と汗が混じった爆音コール。粋すぎるアドリブ\もう一回!さーや!さーや!/では思わず感極まってしまった。

アンコール後にファンからのプレゼントがあり、メンバー全員が号泣する中、奏と学びの道を歌い上げ、チアチアで最も透明感のある歌声を持っていたアイドル・桝元沙耶はマイクを置いてステージを降りた。

「泣いてない!全然泣いてない!」と強がりながらも大好きな沙耶の最後を見届ける留奈ちゃんを見ている時は、単なる愛くるしさだけでなく、色々な思いが脳裏をよぎった。俺にはまだまだこの娘が必要だけど、俺たちの間にもいつかこんな日が来るのだろうか…とか。。。

万物には終わりがあるからこそ美しい。人はいつか死ぬし、アイドルはいつか辞める。
ただ、自分にとってのアイドルの最後を見届ける時は絶対に今日のようなライブで送り出してあげたい。世界中の誰よりバカでかい声で名前を呼びたい。

多くのファン・メンバー全員から愛された桝元沙耶の卒業はアイドルの生き様を僕に再認識させてくれる心に残るライブになった。

お疲れさまでした。これからも夢に向かって頑張ってください。