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Critical Path

限界工程

youthful days

「青春とは人生のある期間ではなく、心の在り方をいう。」
(サムエル・ウルマン『Youth』より)

グループ結成から1年、小島まゆみ加入から半年、俺が現場に通い始めて5ヶ月…。


生きていた。


長澤茉里奈は、
関根ささらは、
神谷愛理は、
泉美桜は、
小島まゆみは、
そして俺達ヲタクは、


紛れもなく「放プリユース」として、その青春時代を生きていた。



いみじくも、ハイデガーが言ったように
「人間は死を意識して初めて生を意識する」ものだ。
石谷光さんは「失ってからそれに気がつくなんてバカだね」とも言ったけど。
アイドルもきっとそういうもんなんだろう。
限りあるからこそヲタクも生きる。そして、命を燃やす。

分裂が発表されてからこの1ヶ月半。
人生でもうこんなに無茶することは無いだろうなってくらいヲタクした。
平日だから、仕事だから、地方だから、遠征民だから・・・。
そんな言い訳は一切したくなかったから。
とにかく小島まゆみとユースのことだけを考えた。
2,3年早く腰が曲がろうが、5年早く死ぬことになろうが、どうでもいい。
大袈裟にそんなこと考えながら、夜行バスに揺られ週に何度も東京への往復を繰り返すくらい。
俺たちに残されたのは今この瞬間しか無かった。ガムシャラに駆け抜けた。



ここまで放プリユースに夢中になれたのは、理由がある。

一つは、ユースのライブが初めは大人しくてつまらなかったから。
メンバーもヲタもみんなそう感じていたと思う。
メンバー側から「もっと盛り上げてほしい」なんて言われるのは、辛いことだし
俺からしたら何の為にヲタクやってんだよって言いたくなる。

そんなことがあってから、
下手に張り付いて自己満足のゼロズレばかり狙っていた自分も意識が変わった。
同じような考えを持つヲタクを探して、一緒に真ん中に集まってみんなでライブを楽しむようになれた。
アイドルだってヲタクだって、難しいこと考えず楽しそうなのがいいに決まってる。
ユース現場は、ヲタ同士がそれぞれの推しを尊重して譲り合い、変に荒れることもなく、盛り上がるライブが出来る現場になった。
長い冬が明けるように、気づけばたくさんの笑顔が咲く現場になっていた。
ありがとう、関根。

もう一つは、去年2ヶ月ほど行けなかった直後のライブで
まゆみんから「ピンクのサイリウム振ってくれる人が少なくて寂しかった。」と言われたこと。
これは本当に無力感に襲われた。自分一人でどうにかなることじゃないけど
もう少しも悲しい思いはをさせたくない。彼女の孤独や不安を終わらせる為に俺はヲタクやってると思うから。
行ける時は逃さず行こうと思ったきっかけだし、彼女がいないと今の俺はいないから。
まゆみんの前からピンクの灯を消しちゃいけないと思ったから。






3.20。長かった冬が終わって、ようやく渋谷にも春が芽吹き始めていた。
プリンセスを目指す娘、新たな夢に向かう娘、それぞれのヲタの思いも抱えて、始まったライブ。

楽しかった。もうこれ以上ないくらい楽しんだ。
メンバーもヲタも全員ひっくるめて熱い本当に熱い放プリユースだった。

そして、待っていたのはハッピーエンド。
地味で真面目しか取り柄が無い(自称)女の子を宇宙一幸せにするアイドルの神様がくれた粋なプレゼント。


小島まゆみ、放課後プリンセス候補生昇格―――。

知ってるよ。まゆみんが真面目で面白いこと言うタイプじゃないことくらい。
意地っ張りで強がるくせにホントはすごく寂しがり屋で。
でも自分がこうだって決めたことは絶対に曲げない強い意志を持ってることくらい。
世界中の誰より知ってるよ。何度でも言うよ、おめでとう。


それともうひとつ。
みんなに伝えたいのは「ありがとう。」

まりちゅう、関根。戻ってきてくれてありがとう。
まゆみんの前では弱音を吐かないように我慢してたけど、1ヵ月半ライブに行く度に
バラバラにならないでほしい、まだまだ一緒に続けたいって毎日思ってたから。
今はまだ正しい選択かわからないけど、2人にはたくさん頼もしいヲタがいるから何も心配してない。

仁菜ちゃん、ゆゆちゃん。ユースを選んでくれてありがとう。
たとえ何処に住んでいようと、どんな背景があったとしても、2人がここを選んで良かったと思える場所にするから。

りぃちゃん、さくら。数え切れないほどの笑顔をくれてありがとう。
2人がいなくなってしまうのは寂しいけど、一緒に過ごした日々はずっと忘れないから。
アイドルじゃなくなっても、水色とオレンジがこれからの二人の人生を彩り続けてほしいと本気で思う。

まゆみん。ありがとうじゃ足りないけど、ありがとう。
ライブアイドルになる決断をしてくれたこと、推しが増えなくて悩んでたけど辞めずに耐えたこと、グループがバラバラになりかけても自分を曲げずに残ってくれたこと、大切な黒髪を染めるくらい何かを変えたいと思っていたこと。
全部にありがとう。思い返してもたまらなく愛しい。




人が誰かを心から好きになるって感情は本当に尊い。
たとえそれがアイドルとヲタクであっても。いや、だからこそ。
ジュリエットって曲にはそんなヲタク達とアイドルの大切な想いが詰まっていて、いつも泣きそうになる。

きっと、本気でアイドルヲタクなんかやっても人生において
何の意味もないことくらいとっくの昔にわかってる。
突き詰めていく先は、もはや趣味ですらないと思う。
それでも、俺はこの人生でアイドルヲタクをしてきたことに後悔は無い。
(そりゃ、ちょっとはあるけどさ…)
きっと生まれ変わってもアイドルヲタクをすると思う。
こんなにもたくさんの感情を与えてくれるのは、家族でも恋人でもなく、アイドルしかないって知ってるから。

またそんな風に思えるようになったのも放プリユースとそのヲタのおかげかな。
笑顔を取り戻させてくれてありがとう。最高のグループに出会わせてくれてありがとう。
ここが俺の居場所だって言える。これからも一緒に最高のパレードを続けていこう。



出会いの春、別れの春。
心に若さがある限り、それぞれのユースはずっと続いていく・・・。
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~放プリユース第一章・完~