Critical Path

限界工程

終わらぬエンドロールだってあるって証明してやんなきゃつまらない

呆れるほどの暑さが去って、今年も穏やかに秋が訪れた。
人生のほんの短い一部分の中であと何度
こうして好きなアイドルと季節の移り変わりを迎えることが出来るのだろう。
九月は君の月、不思議に引き寄せあったあれから1年が過ぎようとしていた。

―――遡ること1ヶ月半前、お台場の海辺で彼女と僕の世界はまたしても大きく変わった。
『小島まゆみ・・・放課後プリンセス正規メンバー昇格。』

喜ぶ彼女を横目に心の何処かにもどかしさを抱えた自分。
彼女への想いが絶える日は無かったけれど、
心の中は秋の長雨のようにすっきりしない日々が続いていた。

そんな中、この日はやってきた。

9月22日『放課後プリンセスLIVE2016"PRINCESS STORY"』

冒頭の悩みは一曲目に「制服シンデレラ」を踊るまゆみんを見た瞬間に忘却の彼方へ。
この1年間、昇ってきた階段を思い出した。
泣いた日のこと、心が折れかけた日のこと、そしていつもそれを拭い去ってくれる
ずっと楽しかった日々のこと。
フラッシュバックされる思い出が僕を一瞬でエモーショナルな心地へ誘ってくれた。


「秘密のティアラとジェラート」の出色の出来について語らずにはいられない。
一本の名画をそのまま現代に蘇らせた壮大で重厚な間奏と
アイドルらしいキャッチーで爽快なサビとのギャップ。
その中に共存する放プリらしい可憐な歌唱と振り付けがまた世間知らずな王女を彷彿とさせて見事。


この日、最も僕の心を揺さぶったのはやはり放プリユースだった。

正真正銘のラストステージ。
初めて会った時に話してからずっと“好き”を刻み続けた「放送部プリーズ」
どんな時も笑顔にしてくれた「Smile×3~笑顔ずっと咲いたままで~」
こんなに自分の全身全霊を捧げられるグループはもう出てこないだろう。
それでも進み続けなくちゃいけない。そこに小島まゆみはいるのだから。


タイミング的にサプライズな「超HAPPY BIRTHDAY」
これが一番嬉しかったかな。
決して派手さは無いし、中心でいることは多くないまゆみんがスポットライトを浴びて
広い会場の花道を歌いながら駆け抜けてくるあの姿を僕はきっと忘れることなど無いでしょう。


戴冠式
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発表された時は正直に言って茶番だと思ってた。

それでも、気づいたら泣いていた。
1年前まで一生話すことは無いだろうと思っていた女の子の
頭上に輝くティアラを見て僕は涙していた。

なぜだろう。
僕は小島まゆみでは無いし、小島まゆみはもちろん僕では無い。
彼女の夢が叶ったところで、きっと自分の人生に何の影響も無い。
それでも自然と感情が溢れてきた。


きっと誰もがわかってる。
何百回「一緒に人生歩もう!」なんて叫んだってそうならないことくらい。
それでも僕たちは今日も叫ぶ。自分の感情の全てをアイドルに委ねる。


ロミオとジュリエットは、ほんの5日間の出来事。
ローマの休日に至っては、たったの1日。

毎週末、その気になれば週に何度も会える僕等は幸せだと思う。
まだまだ僕たちには紡いでいける物語がある。そのための時間がある。

目の前に好きなアイドルがいる限り。
自分が思っている以上にアイドルは素晴らしいものだから。
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・・・僕のエンドロールはまたまた先延ばしになりそうです。