Critical Path

限界工程

君のこと知るたび「好き」の意味が変わってゆく

四季の中で秋が一番好きだ。
暑すぎず寒すぎず穏やかで過ごしやすく、金木犀の甘く優しい香りは郷愁的で、情感を揺さぶる。
いつだって僕の心を切なくも激しく揺さぶってくれる彼女が生まれた季節もまた秋だから。

2017/9/26 放課後プリンセス・小島まゆみ BIRTHDAY LIVE.
@SHIBUYA WWW

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開演前、平日にも関わらず3階席まで沢山の人が集まった会場を眺めてあることを思い出した。

―――あれは、一年半前。奇しくも場所はこの日と同じ。

伝説的な3.20のライブを終え、一早く放プリ候補生へと昇格した小島まゆみ。
しかし、その道は決して甘くなく、毎日のように続く対バンでバックダンサーをこなす日々…。現実は厳しく、日によっては個別物販の列に誰も来ない日もあったという。当時の僕はまだ福井から遠征民だったので、3月半ばまでの強行軍のツケを払って労働に忙殺されていた。

当日は、たまたま研修で東京に来てた日で、ちょうどWWWで行われる対バンでは休演の宮下のアンダーを小島が務めることになっていた。
ライブ後の物販列、やっぱり並んでる人は少なかった。同じ昇格組の関根や長澤と比べても…何だか悔しくてヤケになってループしたのを覚えてる。

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その時に僕が啖呵を切ったこと、自分でも覚えているような覚えていないような…とにかくインターネットに書くのも憚られるような小っ恥ずかしいものだったような気がしている。毎日のように似たような対バンを繰り返している彼女はもう覚えていないだろうし、約束も果たせていないけど、この日の会場を見ていると感慨深いものがあった。あの日、彼女が求めていた景色はきっとここにあると思えたから。


ライブ本編の構成はメジャー曲とインディーズ曲がほぼ同数。
心なしか後者の割合が多かったような気がするのは『放送部プリーズ』や『Smlie×3』への個人的な思い入れが強いからだろう。

普段は他のメンバーを輝かせることでより存在を放つ彼女だが、この日は文句なしの主役だった。『隣の席のプリンセス』や『Smile×3』での会場全体の大きなコールはきっと素晴らしい誕生日プレゼントになったはず。

そして、もう一つのプレゼントは Team Miracle 初のオリジナル曲。センター。

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日陰に咲き続けてきた彼女がやっと獲得した立ち位置。半ば諦めて「センターだけがアイドルじゃない」と自分に言い聞かせてきたけど、やっぱり嬉しかった。好きなアイドルの名前を叫ぶ為にヲタクをやっている僕にとっては。

本編ラストは『秘密のティアラとジェラート
1年前のZeppの興奮が蘇ってくる。もちろん彼女自身にとっても愛着が強い曲だと思うけれど、スクリーンにMVを流して今はもういない“相棒”をステージに立たせたり、この日を最後に離れるメンバーの舞台を用意したりするところが利他的な彼女らしく思えた。


アンコールでは会場全体を("゚д゚)ポカーンとさせる熊の着ぐるみで登場。
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奇抜な演出の理由は「子供の頃から夢だったから」何とも抜けた返答にやれやれ…と思いながらも、先行している生真面目なイメージと同じくらい子供っぽい一面がある彼女らしいなとほくそ笑んでしまった。

EN2.僕が世界で一番愛してやまない曲が流れる。
初めて出会ってからの今まで何回「好き」だと伝えてきただろう。
届いているようで永遠に届かないような純情で儚い「好き」な理由。

「もし僕がロミオになれたなら、君はそう僕のジュリエット。」
粋なことを言っているようで、ストーリー通りならば最後に二人とも死ぬ。悲劇的に。
だけど、どんなに望まない曲が流れても、納得のいかない脚本であっても、僕のジュリエットは簡単には死なせてくれない。
今日もまた悩んだまま踊り続ける。この恋に終わりが訪れるその日まで。



小島まゆみという存在は僕の中で一番で在り続ける。



22歳の誕生日おめでとう。最高のプリンセスへ。
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